ツユクサ科ツユクサ。青い花は自然界ではちょっと珍しいように思いますが,考えてみると結構あるものです。身近なところでは,スミレ,リンドウ,キュウリグサなど。アジサイもそうでしょうか。あとは,春先に咲くオオイヌノフグリ。ヤマルリソウも小さくて可愛い花ですね。
ツユクサに話を戻すと,花びらは2枚の青い色のものが目立ちますが,実はその下に白というか無色というか,そんな花びらが1枚あります。どうして同じ青色にしなかったのでしょうか・・・。
私はここにツユクサの切ない願いを感じます。
この白い花弁,正面から見ると,その上に黄色いやくをもつ雄しべが乗っているように見えます。ハチなどの昆虫は,この花粉を食べにやってくるようですが,もし,この無色の花弁がほかと同じ青色だったら,果たして昆虫の目にはどのように映るのでしょうか。同じように昆虫がやってきて,花粉を食べながら体に花粉を付けて受粉の役目を果たしてくれるのでしょうか。
昆虫の色の見え方は,まだ解明されていない部分が多いので断定することはできませんが,ただ,もしかすると雄しべのやくの黄色を識別することに一役買っているような気がしてなりません。あくまで想像ですが・・・。
ツユクサの花の色は青・・・ではなく,ちょっとその下の無色の花弁に注目すると,また楽しい観察になります。
なぜ?と考えることは楽しいものです。
ツユクサといえば,葉の薄皮をはいで,気孔を見るための材料に使われます。本人にとっては,ちょっと迷惑なことかもしれません。
ツユクサの名前の由来は青花(あおばな),帽子草(ぼうしばな),蛍草(ほたるぐさ)など,いろいろあるようです。でも,やっぱり私は夜露にぬれたツユクサを見て,その名前通りの美しさ,可愛さに思わず立ち止まらずにはいられません。
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