紅葉が美しいこの季節。名所と呼ばれるところはいろいろありますが,人も多くてちょっと疲れそう。
私の場合は,紅葉狩りだけが目的でもないので,いろいろなものに出会えそうな場所を探してでかけます\(^o^)/
今回訪れたのは,西宮市にある「甲山森林公園」。
公園なので整備されていますが,いろいろな樹木が自然な姿でのびのびと育つ姿を残してくれています。樹種も豊富で,まさに森林公園の名にふさわしい公園です(^^)
そして,この公園の良いところがもう一つあります。
それがこれ。
いたるところの樹木の幹にこんな札が掛けられており,クイズ形式で樹木の名前を覚えられること。
札を裏返すと・・・
私は,この公園でたくさんの樹木に出会い,その特徴を学びました(*^^*)
今回は,ところどころに見られる美しい紅葉を眺めつつ,晩秋の心地よい清廉な空気の中,様々な樹木の姿に心癒されました。
ところで,いろいろな樹木を眺めていると,ふと思うことがあります。私は,樹木の葉を見てそれが何の木なのかを見分けることが多いのですが,中にはとてもよく似た葉をもつものがあり,迷うことがよくありました。
今ではその微妙?な違いも多くの場合は見分けられるようになりましたが,当初はその判別に苦労した樹木も少なからずありました。
それは多くの場合,同じ科の樹木で親戚とも言える関係にあるものです。
たとえば,次のような2つの木。
中央から弧を描く葉脈の感じは両者がもつ特徴です。
見た感じ上のほうが細長く,葉脈の数も多いように見えますが,それも一つの木の中で個体差があり,下の葉のように丸みを帯びたものもあります。その場合,見分けることがなかなか難しくなります。
この2つの木,上がサンシュユで下がヤマボウシ。同じミズキ科の樹木で,ぱっと見て判別するには,葉の表だけでは私には難しいのですが,葉裏を見れば,実は一目瞭然の違いがあるのです。
お分かりでしょうか。
葉の葉脈の分かれ目を見ると,上のサンシュユにはほとんどの部分にこげ茶色に見える毛が生えています。下のヤマボウシの方は,それがあるにはあるのですが,サンシュユほどには目立ちません。これは両者において他のほとんどの葉に見られる特徴で,この葉裏の特徴さえ覚えておけば,まず間違うことはありません。葉を見るときは,いろいろな角度から見るものだとあらためて感じる2枚の葉です。
そして,今回写真はないのですが(また撮れたら掲載します),同じ科のハナミズキは,この茶色い毛がヤマボウシよりもまだ少なく,ほとんどありません。
というわけで,このサンシュユ,ヤマボウシ,ハナミズキの「ミズキ科親戚3木衆」は,似てはいるもののその部分だけできちんと同定できるのです。
ところで,これを人間に置き換えると,やっぱり親兄弟や親戚の人々は似た顔立ちということがよくあります。
でも,世の中には,親戚でも何でもないのに似た人がたまにいます。
これをまた樹木の話に戻すと,樹木の中にも,ぜんぜん違う科にもかかわらず,そっくりな葉をもつ樹木があります。
次の写真を見てください。
いかかでしょうか。葉の形だけでなく,付き方も似ているように思います。
遠くからでは,分かりづらいので,もう少し近づけてみます。
上の葉のほうが少し光沢があり,波打つ感じがします。ただこれも多少の個体差があるので,判別には難しいことがあります。
あくまで葉だけを見て判別することを考えての話ですが,一つこの両者には決定的な違いがあります。それは,下の樹木の葉には,実はこんな特徴があるのです。
これは,紅葉の季節だからではありません。だいたいいつの季節にも,この樹木の葉はには何か所か赤い葉が数枚混じるのです。上の樹木の葉には,そのような特徴はありません。この両者を見分けるには,これがもっとも手っ取り早い方法と言えるかもしれません。
ちなみに,上がヤマモモ科ヤマモモ,下がホルトノキ科ホルトノキです。
他人の空似とはよく言いますが,これは他木の空似でしょうか。
こんな視点で見ると,またおもしろい樹木観察となるかもしれません(^^)
最後に紅葉。
上からドウダンツツジ,ハゼノキ,イロハカエデ。
コメント
木の葉と人間の対比、面白かったです、木の葉の成立ちを知ることで、他人事?と思えなくなります、散歩道で見かけた木々達に話しかけていると、幸せな気分になりルン、ルンな一日になりそう
匿名さんへ。植物も人間も命は一つということに変わりはないのですね。コメントをいただき,あらためてそう思います。いろいろな生き物の命をいただいて生きている私たち。これからもそのことに感謝しながら生きていきたいと思います。ありがとうございます。